これから英語も主要科目として成績がつくようになる時代、国際社会で困らないように、活躍できるようにしたいですよね。
就職の幅が広がるようになどの思いで、小学生のうちから英会話に通わせたり、塾で英語を科目として選択しておくのは良いことのように思えませんか?
しかし、メリットだけではなくそこにデメリットもあるので、ここでは現役塾講師があえてそのデメリットに触れていこうと思います。
中学から英語を始める子と大差ないという事実
小さいうちから英会話をするメリットは確かにあります。人の脳が、言葉を第一言語として習得できるのは11歳くらいまでだそうです。
その年齢を過ぎてしまうと、英語は母語である日本語に次ぐ新しく学ぶ第二言語として習得されていまいます。
すると、母語のような感覚で覚えることができず、日本の教育では特に文法的な解釈となってしまいます。
だから早めに英会話をさせることは、英語を母語と同じレベルで理解させるには良いことになります。
しかし、英会話に通っていようと塾で中学英語を先取りしていようと、塾講師としてやってきた現場の目から言わせていただくと、正直中学生になれば点数は中学から英語を始めた子と同じ、もしくはそれ以下になることも多いです。
これは私も最初のころがっかりというか、何故なのだろうという疑問が先だって残念な結果だと思いました。
せっかくやってきたのに、それまでの苦労は何だったのかと。
英会話は確実に母語化されて効果があるように思えますが、日本の中学英語では正しい文法から入ります。
会話とは違ったアプローチになるので、効果が発揮されにくいというのが残念なところですね。
点数で如実に成績が出てしまうのですが、英会話という科目があればトップだと思います。
もちろん全ての子がそうではありませんが、やはり地頭によって大きく左右されるところはあります。塾講師をしてから、この事実を目の当たりにしてきたので断言できるまでになっていまいました。
残酷ですが、やはり大きいのは努力や経験ではなく生まれ持ったものなのだなと実感させられました。
ただ、小さいうちはやらせてみないことにはまだその地頭がわからないというのがまた難しいところです。
やってみて結果すぐに皆に追い抜かされてしまったという結果になるかどうかはその子の持っている能力によりけりになりますね。
何故小学生からの努力が周りに抜かされるのか
小学生のうちから中学英語を先取りしているなら、その分有利になるはずではないでしょうか。私はたくさんの小学生を見てきてその答えを出しました。
中学英語は文法から入るので、小学生でも低学年から始めるのは脳の成長的に難しいです。
よって、多くの保護者が小学6年から先取りをお願いしています。1年分積み重ねができることになりますね。
中学英語の先取りとしてbe動詞を理解し、練習したとします。そしてそれが理解できたとしましょう。
それらの文法を繰り返して中学に上がれば、またその理解したことを学校の先生が説明します。
つまり、スタートがまた周りと同じになってしまいます。
学校の授業で理解できなかった子であれば塾で先にやっておいて良かったなとなりますが、十分理解力がある子ならただ学校の授業がつまらなくなるだけです。
よって、私の意見では小学校の他科目でのテストの点数が良いのであれば、塾で英語を先取りする必要はないのです。
それなりの物事の理解力があるのであれば、英語も最初の方の文法なら学校の説明で理解できるはずだからです。
塾で英語を選択すべきなのは、中学になってからの勉強が不安という、テストの点数が振るわない子です。
先に塾で理解しておいて、忘れそうなころに学校で復習してもらうという形をとれば安心でしょう。
じわじわと効果が出ることもある
小学生のうちから英会話をしているなら、その効果は受験の時の「発音・アクセント問題」で出るでしょう。
ここは定期テストで100点をたたき出す中学3年生でも苦手とする子が圧倒的に多いところなのですが、小さいうちから英語の発音に親しんでいるならば得意分野がやっと来たという感じではないでしょうか。
ここは日常的に意識していないと取れないところなので、実力テストや私立の高校を受験する時などで点数が稼げます。
また、学習塾で英語を小学生からやっている子は、皆がなかなか定着しないうっかりミスである英文ルールの定着が早くできてケアレスミスをしなくなるという傾向もあります。ピリオドのうち忘れや、文頭は大文字というルールは覚えていてくれますね。
まとめ
ちょっとがっかりするような記事だったかもしれませんが、英語は小学生のうちからやって中学で速攻花開くという現状ではないことをお伝えしました。
もちろん全ての子にとって無駄とは言えませんし、最後に少しメリットを書きましたが、これらのデメリットも把握した上で習い事を吟味してほしいなと思います。
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